個展の評檀より

ビジョン企画が出版している新報に今年の夏にやっていた展覧会の評論が掲載されていました。フェルメール展を初めとする特別企画展から東京各地の個展までの寸評があって、自分の個展は彫刻部門の中ごろにありました。「焼き締めの陶彫により、古い遺跡の発掘出土品みたいに作る。その詐術性が即面白さでもある。」と書かれていました。なるほど。出土品を詐術によって造形する面白さ…とは、本当に面白いことを感じ取る人がいるもんだなあと思いました。好意的と受け取っていいのではないかと思っています。群馬県高崎市のNTT東日本から出品依頼を受けている「古代の造形 現代の造形」展も同じような意図があるのかもしれません。自分の作品と古代人が作った造形物が時空を超えて出会うのはきっと楽しい瞬間だろうと想像できます。もう一度、古代住居跡の写真集でも眺めて、さらに次なるイメージを膨らまそうと思っています。

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