パノラマとしての彫刻

先日のブログで「森を俯瞰する作品」について触れました。森を俯瞰するというフレーズが我ながら気に入ってしまい、もう少しこだわってみたいと考えました。自分は制作ばかりやっていられない経済的な状況があって、創作活動は横浜市公務員との二束の草鞋です。時間が思うように取れない中で、作品の質を高めるために考え出した方法が部品をいくつも作って繋げていく集合彫刻です。部品には時間をかけますが、全体がどの位の大きさになるかは公務の仕事との兼ね合いによって変わってきます。時間が許せば作品は次から次に増殖していくのです。そこで部品をひとつずつの単位とした都市空間を作ることになっていきました。もちろんイメージの出所は渡欧時代に蓄積された記憶によるところがありますが、時間の使い方とイメージが一致して、陶彫または木彫による作品が生まれました。作品はパノラマ状になり、地形を俯瞰できるように配置しています。それは床であったりテーブルであったり、その部品の置き方や構成方法は様々ですが、俯瞰(または鳥瞰)という視点をもつことには変わりません。自分の作り出すものは、そうした広がりに空間造形の可能性を探るものでありたいと願っています。     Yutaka Aihara.com

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