重森三玲庭園美術館

先週出かけた京都では旧友に会っただけではなく、美術館にも足を運びました。今回の京都では重森三玲庭園美術館をメインにしました。故重森三玲はブログに度々書いている庭園家で、その作庭ぶりは現代彫刻の理念を併せ持っていると自分は思っています。自分の亡父も造園を手がけていたので、造園業には親近感があり、たまたま今夏造園土木会社で企業研修をしたこともあって、重森三玲の作品が見たくなったのも当然の成り行きかもしれません。庭園美術館は京都大学の近くにあって予約して中に入ります。案内をしてくださった方は重森三玲の娘婿にあたる方で、懇切丁寧な説明をしていただきました。ともかく和風モダンの限りを尽くした旧宅で、庭の造形といい茶室の空間といい、目を奪われるものばかりでした。石組と苔と本来そこにあった植木がすべて重森ワールドを演出していて、自然の産物と人の造形が噛み合った見事な空間でした。茶室の襖絵は純粋抽象絵画であり、モンドリアンやカンデインスキーを髣髴とさせる表現でした。ここに来て一番の収穫は自分の造形に対する意欲が湧いたこと。とてもいい時間を過ごすことができて満足でした。                           Yutaka Aihara.com

関連する投稿

  • 「 《オヴィリ》1・2」について 「中空の彫刻」(廣田治子著 三元社)の「第二部 ゴーギャンの立体作品」の中の「第5章 タヒチ滞在(1891~1893年)とパリ帰還(1893~1895年)」の「3 […]
  • 「マーク・マンダースの不在」展の図録から 先月の13日(火)に東京都現代美術館で見た展覧会の図録が郵便で送られてきました。展覧会についての自分の感想は既にNOTE(ブログ)にアップしていますが、「マーク・マンダースの不在」展について、自宅に […]
  • 次のステップに向かう6月 6月になりました。そろそろ入梅が発表されてもおかしくない季節です。6月も今まで同様、工房に勤務時間があるが如く決まった時間に通う予定です。今月やらなければならないことは個展の出品作品の修整補填で、厚 […]
  • 「中空の彫刻」を読み始める 「中空の彫刻」(廣田治子著 […]
  • 「初期作品ーさまざまな試み」について 「中空の彫刻」(廣田治子著 三元社)の「第二部 ゴーギャンの立体作品」の中の「第1章 初期の彫刻(1877~1885)」のうち、今回は「2 […]

Comments are closed.