柱に彫り続ける抽象
2008年 8月 5日 火曜日
今日も暑い作業場で杉の柱と対話するように彫っています。あらかじめ寸法を決めておいた菱形の形態を繰り返す荒彫りをしていきます。どうも以前ブログに書いたブランクーシの「無限の柱」が頭にあって、基本はまずそこから始めるといった具合です。ブランクーシの「無限の柱」のモテーフは、彼の出身地ルーマニアの伝統的な建築物から想を得ています。自分もパリに保存されているブランクーシのアトリエを見た後、紀行作家のみやこうせいさんに連れられてルーマニアに行き、ブランクーシの造形の原点を見てきました。そんな20代の記憶があって、彫刻を考える上での基本的形態をいつもブランクーシにしているのです。実際、繰り返される抽象形態はとても美しく、無限に上昇していくようです。今制作中の「構築〜起源〜」はそんな上昇する柱が無数に大地から立ち上がるイメージです。蒸し暑い作業場で、そんなブランクーシやルーマニアの木造民家のことを思い描くと、頭の中がスッキリしてくるから不思議です。 Yutaka Aihara.com
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Tags: 制作, 書籍
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