「AボーシャンとGモーゼス」展
2008年 7月 29日 火曜日
先週の自分の個展開催時に、銀座を拠点に美術館を見て周り、1週間で6つの展覧会を見てきました。今日はその最終報告。新宿の東郷青児美術館でやっていた「アンドレ・ボーシャンとグランマ・モーゼス」展。正規の美術教育を受けていない独学の素朴派と言われる人たちの絵画です。画面いっぱいに楽しい雰囲気が溢れ、そこには描くことが大好きという基本的な姿勢がありました。世間の流行やら美術界の動向やらを気にしていると、こういう作品に出会うとハッとすることがあります。国立新美術館でやっていたオーストラリア・アボリジニの画家「ウングワレー」も、渋谷でやっていたロシア・アバンギャルドのグルジアの画家「ピロスマニ」も同じです。表現したいから表現するという本能に近い創作意欲。今年の夏はそうした素朴派の芸術家に学ぶところが多いような気がしています。自分の個展と対峙して自分を振り返る機会を作ろうと、これも本能に近いところで自分は感じているのかもしれません。 Yutaka Aihara.com
関連する投稿
- 京都 1年ぶりの再会 京都には滞欧時代によく遊んだ版画家の渡辺聖仁さんが住んでいます。昨年は久しぶりに会って旧交を温めましたが、今年は1年ぶりの再会です。まず自分の図録を渡して個展の報告。すると渡辺さんも11月に名古屋で […]
- 辻晋堂の彫刻 八木一夫のオブジェ焼に関する書物を読むと、そこにちょいちょい辻晋堂という名が出てきます。彫刻家辻晋堂は亡くなられて随分経ちますが、ギャラリーせいほうで個展をやっていた作家でした。自分は学生時代に個展 […]
- イサムノグチの原爆慰霊碑 ヒロシマに関わることをブログに書いていたら、もうひとつ脳裏をよぎったことがあります。イサム・ノグチは学生時代からよく知った彫刻家ですが、彼の作ろうとした原爆慰霊碑があったことです。これの存在をつい最 […]
- 土練りのあと美術館へ… 成形に使う陶土がなくなり土練りをしました。陶彫は土を単身ではなく複数の土を混ぜて使っているのです。近々新しい土錬機が来るので、今使っている土錬機最後の仕事かもしれません。自分と懇意にしている陶芸業者 […]
- 「描かれた空想美術館」を読んで 昨日は何故ホルスト・ヤンセン展の回想を書いたかと言えば、今読んでいる種村季弘著「断片からの世界」にヤンセンの評論が掲載されていて、20数年前にウィーンで知った卓越した素描画家の様々な面を知ることがで […]
Tags: 作品, 個展, 展覧会, 書籍, 画家, 芸術家
The entry '「AボーシャンとGモーゼス」展' was posted
on 7月 29th, 2008
and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.