「AボーシャンとGモーゼス」展

先週の自分の個展開催時に、銀座を拠点に美術館を見て周り、1週間で6つの展覧会を見てきました。今日はその最終報告。新宿の東郷青児美術館でやっていた「アンドレ・ボーシャンとグランマ・モーゼス」展。正規の美術教育を受けていない独学の素朴派と言われる人たちの絵画です。画面いっぱいに楽しい雰囲気が溢れ、そこには描くことが大好きという基本的な姿勢がありました。世間の流行やら美術界の動向やらを気にしていると、こういう作品に出会うとハッとすることがあります。国立新美術館でやっていたオーストラリア・アボリジニの画家「ウングワレー」も、渋谷でやっていたロシア・アバンギャルドのグルジアの画家「ピロスマニ」も同じです。表現したいから表現するという本能に近い創作意欲。今年の夏はそうした素朴派の芸術家に学ぶところが多いような気がしています。自分の個展と対峙して自分を振り返る機会を作ろうと、これも本能に近いところで自分は感じているのかもしれません。                          Yutaka Aihara.com

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