「カルロ・ザウリ」展

昨日までの銀座通いで見た展覧会は全部で6つあります。ブログには先週4つの展覧会の感想を寄せました。今日は竹橋の国立近代美術館で開催しているイタリア人陶芸家「カルロ・ザウリ」展の感想を書きます。自分の個展も陶彫によるものなので、「カルロ・ザウリ」に対する関心は高く、また表現技法も含めて興味津々で出かけました。ザウリは1960年代には壺の概念から陶彫へと仕事が展開し、灰白色の釉薬を使った「ザウリの白」と呼ばれる技法が定着しています。そのあたりから大振りで緩やかな稜線をもつ生命体のような作品が生まれています。土の物質性が際立つものですが、日本にもこうした作品は数々あり、ザウリの作品に新鮮な驚きはありませんでした。ただ、イタリアの風土がもつ伸びやかなフォルムは遺憾なく表現されて、日本の細やかな陶彫とは趣の異なった感じはもちました。ともかく大きな陶彫作品に接したのは久しぶりのことなので、自分の気持ちにも張りあいができました。                           Yutaka Aihara.com

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