映画「カミーユ・クローデル」

巨匠ロダンの弟子で愛人であったカミーユ・クローデル。以前まとまった展覧会が東京であった時に見に行って、作風があまりにもロダンに似ていたのが印象的でした。ブランクーシはロダンから離れたのに、カミーユは女性だったためかロダンに寄り添い、その影響を真正面から受けて、その苦しさに悶えていたのかもしれません。それを実体験させてくれたのがこの映画でした。多少の誇張はあるものの、女性が故の感性の鋭さ、情念の濃さ、男と女の関係とお互いの芸術の葛藤などがよく表れていました。先日観た「フリーダ」にも似ていて、巨匠の傍らで翻弄される女流芸術家の運命のようなものを感じました。自分の日常は感情を抑制し、坦々と緊張を持続させながら制作に向うのですが、とりわけ自分がこうした映画に魅かれるのは、創作行為の中に、人の血が通い、感情の高まりの結果として、常軌を逸して集中していく人間の業のようなものを求めているからに違いないと思っています。 Yutaka Aihara.com

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