車の中から見える風景

職場からの行き帰りに車に乗っていると、自分が走っている感覚よりむしろ左右の風景がこちらに向かってやってきて、また過ぎ去っていく感覚に陥ります。現実の風景が、窓越しに何かの映像でも見ているかのような錯覚となり、通勤で見慣れた日常的繰り返しの中で、リアルとシュミレーションの差がなくなり、自分の存在する立ち位置が掴めなくなります。車という文明の利器(機)は、私たちの風景の認識に大きな変化をもたらせたものではないかと思います。実際に車で通勤していると、見慣れた風景は見慣れているくせに印象は希薄で、何がどこにあったか厳密には覚えていないことが多いと思います。「見る」行為にも変化があらわれていると感じています。たまに歩くと道が道として存在しているのに改めて感じ入ったりするのは私だけでしょうか。時々は道路ではなく道を歩いて自分の位置を確かめたいと思うこの頃です。                             Yutaka Aihara.com

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