芸術家の書簡

今晩のNHK新日曜美術館を見て、画家のルオーとマチスが長い間書簡のやり取りがあったことを知りました。数多くの手紙に芸術家同士の励ましや気遣いが感じられて暖かい気持ちになり、また創作への勇気を与えられました。異なる画風にも関わらず2人がお互いの仕事を認め合っていたことが素晴らしいと感じました。自分も恩師からの書簡を大切にしています。彫刻家池田宗弘氏、作家みやこうせい氏、笠原実氏らの手紙には行間を読む楽しさがあります。同世代や若い世代との交換には残念ながらそうした書簡がありません。Eメールのやり取りばかりでは書かれた文字に個性もなく、その人らしさが出ないことがあるからです。自分も手紙を書かないことが多く、気持ちを伝える手段が貧しくなっていることを恥じるばかりです。     Yutaka Aihara.com

関連する投稿

  • 「中空の彫刻」読後感 「中空の彫刻」(廣田治子著 […]
  • 「状況-ファン・ゴッホとの関わり」について フランス人の芸術家ゴーギャンの生涯の中で、劇的とも言える一幕があり、そのドラマティックな事件がゴーギャンを美術史とは関係なく、世界的に有名にしたと言ってもよいと思っています。それはオランダ人の画家フ […]
  • 再開した展覧会を巡り歩いた一日 コロナ渦の中、東京都で緊急事態宣言が出され、先月までは多くの美術館が休館をしておりました。緊急事態宣言は6月も延長されていますが、美術館が漸く再開し、見たかった展覧会をチェックすることが出来ました。 […]
  • 「状況-マルティニーク島滞在」について 「中空の彫刻」(廣田治子著 三元社)の「第二部 ゴーギャンの立体作品」の中で、今日から「第3章 彫刻的陶器への発展と民衆的木彫の発見(1887末~1888末)」に入ります。今回は「1 […]
  • 「グロテスク」について 「中空の彫刻」(廣田治子著 三元社)の「第二部 ゴーギャンの立体作品」の中の「第3章 彫刻的陶器への発展と民衆的木彫の発見(1887末~1888末)」に入り、今回は「4 […]

Comments are closed.