大島紬の端切れ

先月末に出かけた奄美大島は大島紬で有名なところです。産地を訪ねて、染めや織りの工程を見てきました。なるほど大島紬が高価な理由がわかりました。絹と木綿で仮織りをして、何十回となく染め抜いて、仮織りを解き、絹だけを取り出して織り始める、さらに模様を合わせながら機織をするという気の遠くなるような作業を分担して行っていることを知りました。店に大島紬の端切れを売っていたので、RECORDに使うことを思い立ち、購入しました。旅行中はRECORDが描けず、空港でのフライト待ちの時間とか、ホテルで描いてみたものの気持ちが乗りませんでした。そこで旅行中の3日間の作品は横浜に帰ってから、大島紬の端切れをコラージュした作品にまとめました。先月のテーマは正方形でした。端切れで何とか数枚の正方形が確保できたので、31日分までをこの方法でやってみました。内省的な作品を目指したつもりが、紬のしっとりとした美しさに触れ、工芸的で装飾的な作品になってしまいました。これも紬の威力と考えることにしました。 Yutaka Aihara.com

関連する投稿

  • 7月RECORDは「揺らぐ楼閣」 RECORDは一日1点ずつ制作していく小さな平面作品で、2007年から制作を開始しています。一日1点というのはなかなか厳しいノルマで、その日がどんな状況であれ、必ず制作をしていくのです。毎年テーマを […]
  • 6月RECORDは「流転の因」 雨が降れば河川が氾濫し、豪雨ともなれば逆巻く波に家屋が呑み込まれていく場面を何度となく最近の報道で見ています。梅雨の季節になれば水害による悲惨な状況をつい考えてしまうのは私だけではないはずです。梅雨 […]
  • 2つの新しい印を作る 石による印材に自分の名前を自ら彫り、新しい作品が完成した時に裏側に印を貼っていくのが、私が今まで続けてきた方法です。私の作品が集合彫刻で陶彫や木材で成り立っているため、その組み立てにそれぞれの部品に […]
  • 新作完成の5月を振り返る 今日で5月が終わります。今月は個展図録用の写真撮影が昨日あったために、これに間に合わせるために夢中になって制作に明け暮れた1ヶ月だったと言えます。31日間のうち工房に行かなかった日は2日だけで、29 […]
  • 次のステップに向かう6月 6月になりました。そろそろ入梅が発表されてもおかしくない季節です。6月も今まで同様、工房に勤務時間があるが如く決まった時間に通う予定です。今月やらなければならないことは個展の出品作品の修整補填で、厚 […]

Comments are closed.