ヴェニスの路地散策

閉塞感のある空間の面白さは路地にあると思います。その中でもとりわけ楽しい街はヴェニスでしょう。滞欧時代に数回訪れたことのあるお気に入りの街です。何と言っても迷路のように入り組んだ路地を歩くと、舞台に出てくるような広場が現れ、運河の橋も現れ、お洒落な商店があったりします。巨大な野外彫刻の中を歩き回る感覚です。壁の色も剥げ落ちて、いい感じになっています。水の都とは言いますが、自分にとってヴェニスはまさに路地の都、迷路の回廊、都市というタイトルのついたオープンギャラリーなのです。上を見ると石造りの建物に切り取られた空がぽっかりしていて、街の閉塞感を忘れさせてくれます。石畳のデコボコ感はゆっくりした散歩にちょうどいいのです。また夜の路地は郷愁に満ちて、ヒタヒタという水音とともに不思議な空間に誘ってくれます。                   Yutaka Aihara.com

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