池田宗弘宅の猫たち
2008年 2月 27日 水曜日
自分の30年来の師匠である池田宗弘先生は、猫の群像を真鍮直付けの彫刻で表現しています。真鍮を溶接して作る彫刻は、ちょうどジャコメッテイのように肉付けをぎりぎりまで削ぎ落として構造をむき出しにしたままの状態で仕上げています。猫の姿態はそうした表現によく合っています。池田先生は長野県に住む前から、東京の秋津のアトリエで猫を飼っていました。しかも猫はたくさんいて、飼うというより放し飼いにして、猫を観察しているような按配でした。当時は「ここにネコを捨てないで」という張り紙がありました。猫がたくさんいる彫刻家宅に猫を捨てていく人がいるとか…。今も池田先生は長野県で猫に囲まれて暮らしています。外に置かれた猫の彫刻の周囲をホンモノの猫がうろうろしています。ただし、彫刻の猫はガリガリで骨ばっているのに対し、ホンモノは丸々と太っています。猫は常に痩せていていつも獲物を狙っている理想像と、日常のほんわかしたムードの猫のギャップが楽しい先生宅の一幕でした。 Yutaka Aihara.com
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