現代の茶室を考える

今晩のNHK番組「新日曜美術館」で取り上げられていた楽吉左衛門設計による新しい茶室の在り方に興味が湧きました。池の中に作られた水中に沈んだコンクリート製の茶室。コンクリートは黒の色素が混ぜられ、またアフリカ産の原石で周囲を巡らし、手漉きの和紙にも工夫が施された現代の茶室。素材をそのまま使うことへのこだわり。番組で自分もその考え方を学び、自分の彫刻を素材から考えさせられる1時間となりました。器であれオブジェであれ作品を取り囲む環境(建築)を自分で作ってみたいと私も常々思っています。作品が置かれる、また使われる場所を演出したい欲求は、ものづくりの作家であれば誰もが持っている欲求であると思います。そんな理想を求めて自分も制作を続けていると感じたひと時でした。          Yutaka Aihara.com

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