カルダーの浮遊空間
2008年 1月 22日 火曜日
アメリカの彫刻家にアレキサンダー・カルダーがいます。モビールを考案した巨匠です。カルダーのモビールを知ったのは学生時代ですが、その頃は自分は量感のある具象彫刻を作るにはどうしたらいいのかをずっと考えていました。師匠の池田宗弘先生の作り出す真鍮の彫刻は量を削ぎとって、思い切り空間を意識した造形でした。そんな対極にある師匠の造形に憧れ始めていた頃に、さらに衝撃的だったのがカルダーのモビールでした。針金によって宙吊りされた鉄の板がゆらゆら揺れている様子は、風によってカタチが変化して、見ているこちらも軽やかに空間と遊べるような錯覚に陥りました。板に施された鮮やかな色彩も瀟洒な感じがしてモダンでした。カルダーは若かりし頃、針金で小さなサーカスを作って遊んでいたことを知り、彫刻領域の広さを感じました。造形には遊びの要素が大切と今でも思っています。 Yutaka Aihara.com
関連する投稿
- 週末 土練り&彫り込み加飾 やっと週末になりました。今週はウィークディの仕事の休憩時間を使って、論理学の書籍を読み続け、NOTE(ブログ)に読んだ箇所の引用文章を毎晩掲載していました。よく読み込むと難解と思われるところも意外に […]
- 12月RECORDは「円環の風景」 「~の風景」と題名をつけるのは今月が最後ですが、はたして風景という付加した題名にどのくらいの意味があったのか、自分で考えておきながら疑問が残ります。今までも風景を想定したRECORDを作ってきたので […]
- 建築家等からの意見・感想② 「建築とは何か 藤森照信の言葉」(藤森照信他著者多数 […]
- 7月RECORDは「螺旋の風景」 通勤中に読んでいる「ヨーロッパの形 螺旋の文化史」(篠田知和基著 […]
- 週末 新しい作品へ向けて 個展終了から早くも1週間が経ちました。間を開けずに新作を作り始めるのが私の流儀です。ちょっと休みたい気分になりますが、休息を入れるのは新作を作り始めてからと決めているのです。実際、新作の陶彫部品のひ […]
Tags: カタチ
The entry 'カルダーの浮遊空間' was posted
on 1月 22nd, 2008
and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.