見慣れたゴッホの絵

中学時代に知ったゴッホの絵画。うねるようなタッチに魅了され、それを真似ると劇画のようになってしまい、私はついぞ自分の絵が気に入ることはありませんでした。それでもゴッホの骨太のデッサンが大好きでした。高校に入って油絵を描き始めた頃には、私はもうゴッホを卒業していましたが、フォーヴィズムやキュービズムや表現派に心酔していても、ゴッホには親近感を持っていました。20代後半ヨーロッパに暮らすようになって、アムステルダムにあるゴッホ美術館に行ってきました。昔慣れ親しんだ絵画やデッサンの数々を見て、懐かしい人に会えたような気がしました。自分の精神状態がまだ幼かった頃の香りがしました。ゴッホの絵画史に残る斬新な表現や精神性の深さは知識として、また感覚としてわかっていても、自分の辿った美術の道と照らし合わせると、自分の拙い中学時代が甦ってくるようでした。Yutaka Aihara.com

関連する投稿

  • 「中空の彫刻」読後感 「中空の彫刻」(廣田治子著 […]
  • 週末 創作へのモチベーション 昨日までは梱包用木箱作りと陶彫部品の梱包に励んでいましたが、今日は来年に向けた新作の陶彫制作を行うことにしました。今月の個展が迫っているので、その準備として梱包をやっていたのですが、そればかりやって […]
  • 「結語」について 「中空の彫刻」(廣田治子著 三元社)の「第二部 ゴーギャンの立体作品」の中の「結語」の「1 木彫と陶器」「2 親密な環境における彫刻」「3 […]
  • 21’図録の完成 5月30日に個展用の図録を作るための撮影を行い、今日新しい図録1000部が自宅に届きました。図録は16冊目になりますが、毎回同じサイズ、頁数で作っています。図録は前頁カラー版で正方形の冊子になります […]
  • 週末 木箱に収納開始 週末になりました。週末になると今週の創作活動のことを書いていて、個展に向けた進捗状況を述べさせていただいています。陶彫部品を梱包する木箱が15個完成し、今週からその木箱に陶彫部品を2・3点ずつ収納し […]

Comments are closed.