木を彫る楽しさ実感

先週末は陶彫ランプシェードの照明配線をやっていたので、「構築〜解放〜」に手がつけられず、このところずっと木を彫っていませんでした。今日ようやく再開し、改めて木を彫る楽しさを実感したところです。土を練るのもそうですが、木を彫る行為は大昔から人間がやってきたことで、そのためか木を彫っていると素朴で健康的な精神状態になるように感じます。追われて山積みになった公務の仕事から解放されて、鑿の先を目で追いながら木の彫り跡を確かめていると気分がよくなります。人間はこうして偉大な森林から恵みを受けて、住居を立て集落を形成し様々な伝承を生み、木に細工を施したものと考えます。今自分がやっている木彫もそうした一貫した営みの中から生まれてきたもの、たとえば信仰の対象だったり、生活に彩を加えるモノだったりして、それが発展して芸術としてのポジションを与えられたのだと思っています。そんなことをあれこれ思いながら過ごした一日でした。
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