「塑造」という原点

しばらく塑造をやっていません。自分が彫刻の世界で初めて作ったものが塑造による具象彫刻でした。針金にシュロ縄をまいて心棒を立て、そこに粘土を肉付けして目の前にいるモデルを作りました。空間に粘土でデッサンするという感覚でした。骨格やボリュウムが決まると立体ならではの快さを感じることができました。現在やっている彫刻は塑造(モデリング)ではなく、彫造(カーヴィング)です。木材を彫るのは、量をプラスする塑造とは反対の量を削り取るマイナスの造形になります。同じ立体造形ですが、たまに「塑造」という原点に戻ってみたくなります。木彫と併行してやっている陶彫は粘土という可塑材を使っているにも関わらず、塑造とは表現方法が異なります。陶土をたたら(板状)にして組み合わせていくので、いわば構成による彫刻です。いづれ時間ができたら、もう一度塑造をやってみようと思っています。そういえば10年前に作った「手」が石膏取りをして作業場に放置してあります。この時も久しぶりに試みた塑造でした。        Yutaka Aihara.com

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