ドイツ表現主義 初めの一歩

中学校や高等学校の美術の授業では印象派の描き方を教わった記憶があります。風景や静物をモチーフにして、光や陰影を色彩を駆使して描いたりしました。写生が好きだった自分は陰影に黒は使わず、光との関係で青みがかった色彩を用いて、周囲から褒められたことがありました。ところが美大受験の頃になって、印象派とは異なる世界観を持つ美術に接することになり、たちまち虜になりました。その頃自分は工業デザインをやろうと思っていて、構成的な基礎勉強をしているうち、この構成主義ともいえるものが実は高校時代に親しんでいた印象派とは違う由来をもっていることを知りました。いわゆる抽象芸術に知識として触れた最初の一歩でした。由来を辿るとドイツ表現主義にいきつき、表現主義の「見えないものを見えるように表現する」考え方を押し進めていくと、やがてデザインに応用される構成的なものになっていくことがわかりました。このところずっとブログに書いているカンデインスキーが重要な役割をもって、こうした運動を推進していたこともこの頃知ったことでした。                         Yutaka Aihara.com

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