コンポジションとしての絵画
2007年 10月 17日 水曜日
表題は江藤光紀著による「カンデインスキー/コンポジションとしての絵画」で、夏からずっと画家カンデインスキーに関わる文献を漁っていた自分が、「青騎士」「点・線・面」といった翻訳を読み終えた後、ようやく辿りついた日本人研究者による論文です。文中にカンデインスキーが抽象に向かう箇所があって興味をもちました。「画家は[対象が自分の絵を損じる]とはっきり理解した。マレーヴィッチやモンドリアンといった他の画家と異なり、カンデインスキーは除々に抽象の戸口へと惹かれていく。暗闇の中を手探りするように。〜略〜だが代わりに何が目的になるかが、次に生じた深刻な問題だった。技法についての精力的な探求はそうしたカンデインスキーの芸術思想の深化を表している。深化はおよそ表現と記号にかかわるすべての領域に広がっていった。」この本を通じてカンデインスキーが音楽やダンスをも包括するような思想を持っていたことが理解出来ました。 Yutaka Aihara.com
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Tags: 書籍, 画家
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