映画「クリムト」を観る

芸術家の生涯を描く映画には、芸術家がドラマチックなエピソードを持っている場合と、芸術家の作品を映像表現に置き換えて作る場合があると思います。たとえば「炎の人ゴッホ」は前者、今回観た「クリムト」は後者でしょうか。クリムト自身はドラマチックな人生を送っていた記録はなく、むしろ分離派で発表した作品に対して、賛否両論があったことをこの映画ではイメージを交えて取り上げていました。病院で死の床にあるクリムトを弟子のシーレが見舞うところから映画は始まります。そこからクリムトの作品に描かれた女性たちのセクシャルな世界が広がり、当時の批評が飛び交い、イメージ映像が次から次へ登場してきます。クリムトの臨終でこの映画は終わりますが、米・仏映画を見慣れている自分にはオーストリア映画の雰囲気に戸惑うこともありました。                        Yutaka Aihara.com

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