建仁寺の「双龍図」
2007年 8月 26日 日曜日
日本画家小泉淳作氏による「双龍図」は、かつてテレビで放映された制作ドキュメントで知りました。北海道の学校の体育館を借りて、綿密に描かれた下図から、いよいよ巨大な天井画に移していく過程は気迫に満ちていました。本物が見てみたいという気持ちになり、先日京都を訪れた際に天井画のある建仁寺に立ち寄ることにしました。法堂の天井に描かれた2頭の龍。やはり現代の作家だけあって、モダンなデザイン性が感じられ、まだ生まれたばかりの龍という印象を受けました。でも迫力は他の天井画に劣らず、むしろ歴史が認めた他の天井画を凌駕するとさえ思いました。背景の墨の美しさ、デザイン化された火炎のほんのりした紅色、渦巻く雲の薄墨などの画面処理も大変美しく、見飽きない大作と感じました。
関連する投稿
- 「中空の彫刻」読後感 「中空の彫刻」(廣田治子著 […]
- 「状況-ファン・ゴッホとの関わり」について フランス人の芸術家ゴーギャンの生涯の中で、劇的とも言える一幕があり、そのドラマティックな事件がゴーギャンを美術史とは関係なく、世界的に有名にしたと言ってもよいと思っています。それはオランダ人の画家フ […]
- 再開した展覧会を巡り歩いた一日 コロナ渦の中、東京都で緊急事態宣言が出され、先月までは多くの美術館が休館をしておりました。緊急事態宣言は6月も延長されていますが、美術館が漸く再開し、見たかった展覧会をチェックすることが出来ました。 […]
- 「状況-マルティニーク島滞在」について 「中空の彫刻」(廣田治子著 三元社)の「第二部 ゴーギャンの立体作品」の中で、今日から「第3章 彫刻的陶器への発展と民衆的木彫の発見(1887末~1888末)」に入ります。今回は「1 […]
- 「グロテスク」について 「中空の彫刻」(廣田治子著 三元社)の「第二部 ゴーギャンの立体作品」の中の「第3章 彫刻的陶器への発展と民衆的木彫の発見(1887末~1888末)」に入り、今回は「4 […]
Tags: 画家, 芸術家
The entry '建仁寺の「双龍図」' was posted
on 8月 26th, 2007
and last modified on 1月 30th, 2010 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.