若林奮「Valleys(2nd stage)」

横須賀美術館の前庭に盛り土があって、そこに巨大な彫刻作品が設置してあります。ただ作品は地上から伸びているのではなく、盛り土を切り裂いて存在しているので遠くからは見えません。「Valleys」と題された作品は題名どおり谷間を表現していて、盛り土をV字形に裂いて、その両斜面が鉄の壁になっています。大地を裂いたら鉄の壁が表れ出てきたという感じです。高さ3メートル、距離50メートルほどの谷間を歩くと、圧迫感があります。ところどころ鉄がうねっていたり、鋭角に突き出ていたりして表情が見てとれます。人の視点であるとか、モノの高さや角度、距離を改めて認識できるような立体作品です。谷から上を見ると広がる角度のためか空が開放的に見えます。足もとには窮屈な空間があります。そうした空間認識の在り様を鉄の谷間を作ることで表現しているのかもしれません。立体造形に取り囲まれて鑑賞あるいは体験する作品とも言えます。           Yutaka Aihara.com

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