青騎士・デア ブラウエ ライター

ドイツ表現主義に興味を持ってから、当時住んでいたウィーンで資料集めをしていた時期がありました。「EXPRESSIONISMUS(エキスプレッショニスムス)」と表題にあった書物をいろいろ購入したものの原書で読む労苦に耐えられず、結局は日本に持ち帰り、我が家の書棚の埃にまみれたままになってしまっています。「青騎士」の画集も原書で持っています。ミュンヘンのプレステルから出版されたものです。関わった画家は画集から察しがつきますが、実際「青騎士」とはどんな運動だったのか、わからないままになっていました。最近、白水社から「青騎士」の翻訳が出て、早速購入して読み始めています。興味を持ってから実に30年が経っています。カンデインスキーやマルクの作品をもう一度見直して、翻訳とともに自分の過去における関心を辿りなおす作業です。今夏はこれを課題にしていこうかとも思っています。

関連する投稿

  • 芸術家宅を訪ねる随想 「瀧口修造全集1」に収められている「ヨーロッパ紀行」の中に、ダリを訪ねた時の随想が載っています。アトリエの中の描写やダリの人柄に、ほんの少しばかり親近感が持てるような気になります。スペインの海辺のア […]
  • 世紀末のアパート 21世紀の現在から言えば、20世紀末も19世紀末も同じ世紀末となります。表題は19世紀末を指しています。ひと昔もふた昔も前のことですが、この時代が情緒として生きている街がウィーンなのです。ウィーンは […]
  • 幻想画家論 ボッス、グリューネウァルト、ピエロ・ディ・コジモ、ラ・トゥール、ルドン、ゴーギャン、アンソール、ムンク、スーティン、クレー、エルンスト、デュシャン…「瀧口修造全集1」に収められている幻想画家論で取り […]
  • 「描かれた空想美術館」を読んで 昨日は何故ホルスト・ヤンセン展の回想を書いたかと言えば、今読んでいる種村季弘著「断片からの世界」にヤンセンの評論が掲載されていて、20数年前にウィーンで知った卓越した素描画家の様々な面を知ることがで […]
  • 「魔法の国の建築家」を読んで ホルスト・ヤンセンと同じように、カール・コーラップもウィーンで初めて知った画家です。種村季弘著「断片からの世界」にコーラップに関する評論が掲載されていたので、これを契機にコーラップの絵を知った時の昔 […]

Comments are closed.