軽妙洒脱な手紙から

故ドイツ文学者の重厚な評論を読んで、20数年前暮らしていたウィーンに思いを馳せている時に、やはりウィーンで知り合ったエッセイストのみやこうせいさんから軽妙洒脱な手紙が届きました。太めのペンで書かれた手紙はパソコン全盛の時代にあって新鮮な感じがします。「(ルーマニアに)インド人が目下たくさん移住しています。インド人は乾いた牛糞の燃料をジャンボ機や貨物船で運び、これを燃やしてカレーをつくり、カレー屋がオラデアだけで5軒。インド人はカレーが好き。つまりカレーのルウを毎日つくる、ありゃ、ルーマニア。こりゃ、ルーマニア。となりの国に匂うカレーの香り。ハンガリーはハングリーとなり、二つの国はムンカチョスとなる。大食漢ですね。〜」といった具合の手紙です。いったいどこまで本当なのか、2ヶ月ほどルーマニア滞在して帰ってくると、みやさんの頭は飛んでしまっているのかなと察します。また、みやさんのコトバが聞きたいと思うこの頃です。

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