古い詩集の新鮮なコトバ

歌謡曲は、歌は世につれ世は歌につれながら次第に古さを纏っていくものですが、時代を反映しながらも、なお新鮮な表現を保つコトバがあります。自分が学生時代に歌謡曲(フォークソングかな)を聴きながら集めた詩集です。当時の現代詩を自作のフォークソングに仕立て直す歌手がいて、そんな興味と書店での立ち読みから、どうしても欲しくなった詩集がかなり我が家の書棚に眠っているのです。白石かずこ詩集「卵のふる街」の空からいろいろなものが降ってくる映像としてのイメージが好きになったり、富岡多恵子詩集の活字の楽しさ、気ままさがスイスイと心に入ってきたりしました。こういう詩人たちが語る自作論の面白さは、自分が自作の彫刻作品を語るコトバと照らすとあまりにも自分が貧困でなりません。50年も前に初版されているコトバが、世につれずに新鮮でいること。自分の作品も(コトバではない)そうありたいと願うばかりです。

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