デイータ・ロンテ「石のコトバ」

海外で生活していた頃に購入した「STEINSPRACHE」という写真集があります。ドイツ語を和訳すると「石のコトバ」。繰り返し見ているので、表紙が黄ばんできています。ただイメージを掴むには大変いい写真が収められているのです。風景の中に何気なくある大きな石。そこにチョークで縞模様や幾何形体が描かれています。作為の施された大きな石と風景がモノクロの写真で撮影され、そこに不思議な調和が生まれています。まるで洞窟壁画や地上絵のように石器時代の産物のようです。環境芸術のひとつと言えます。自分の作業が始まり、またこの写真集を手にとって見ています。

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