タマラ・ド・レンピッカの世界

タマラ・ド・レンピッカの絵は、現在に至るまで評価が二転三転したそうです。絵を見るとアールデコの時代をあまりにも象徴する空気をもち、レトロな雰囲気が漂っています。ただ、とても巧みな技術をもった画家だと思います。キュビズムにしても表現主義的な色彩にしても画面の中にきっちり収めて、心地よい画風を作り上げています。絵が壁を飾るファッションのように思えないでもありません。デカダンな空気を感じてしまうのは私だけでしょうか。描画方法においては、面でカタチを追っているので、彫刻的な捉えをしています。そんな要因があって私はタマラ・ド・レンピッカの絵が大好きなのです。なかなか日本では馴染みのある画家ではありませんが、また本物の絵画に接したいと感じるこの頃です。

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