三沢厚彦展
2007年 5月 26日 土曜日
「三沢厚彦ANIMALS+」という木彫作家による大掛かりな個展が平塚市美術館で開催されているので、今日行ってきました。単純な写実ではなく不思議な存在感を示す動物彫刻たちが、大小さまざまに展示されていて、会場は楽しさばかりではなく、ちょっと不気味で、大胆な量感にあふれた面白い世界が広がっていました。鑑賞者の中に子どもが多く、ワクワクしながら走り回って、案内係に注意をされていました。子どもの反応が示す通り、堂々とした存在感と理屈抜きの面白さがこの作家の特徴かなと思いました。自分は動物彫刻がきちんとまとまっていくまでの試行錯誤の小品が気になりました。というよりこの時期の悩みや迷いがわかる気がしました。動物の骨格から目の位置にいたるまで己の中にあるカタチを探っていく過程が示されていて、作る者の何ともいえない暗中模索が伝わってきました。その過程があってようやくカタチが生まれてきて、存在感がでてくるものだと改めて認識しました。
関連する投稿
- 東京の「保田春彦展」 先日見に行った東京の京橋にある南天子画廊での「保田春彦展」は、自分の胸中に深く重い印象を残す内容でした。作家が懸命に造形活動に向かう姿勢には、頭が下がる思いです。自分も「老い」を感じ始めたら、こうで […]
- RECORDは「三角形模様」 今年のRECORDはカタチの繰り返しによって、画面を構成しています。今月は同じ大きさの三角形を4つ配置して、それをベースに平面作品を作っていく予定です。三角形は好きな図形で、かつて陶彫でもピラミッド […]
- ランプシェードのカタチ 以前のブログでランプシェードについて触れました。昨日から窯出しをしているので、ようやく陶彫による完成したカタチが見えはじめ、そこに光源を入れてランプシェードにしていく予定です。以前書いた記憶では朴訥 […]
- 制作の小さな分離形 現在制作中の30本の柱が林立して囲むカタチは「構築〜包囲〜」とタイトルをつけることにしました。まだ手をつけていない柱が6本あり、早速彫らなければならず、時間との戦いになりつつあります。そんな忙しい時 […]
- 「群塔」床置き再考 今晩も工房に来ました。目の前に置かれた陶彫部品の数々と木彫が貼り付けられた屏風7点、彫り始めた床置きの木彫の厚板。もう一度新作「発掘~群塔~」の全体像を整理して、完成のイメージの把握を試みました。カ […]
Tags: カタチ, 展覧会, 木彫
The entry '三沢厚彦展' was posted
on 5月 26th, 2007
and last modified on 1月 29th, 2010 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.