立体をどう解釈するか

365点の連作で、とくに今月になって展開を始めたのが、「立体」と「立体感」の考え方です。イラストボードを葉書大にカットした画面を日々描いているので、2月と3月は完全に平面作品としてまとめてきました。つまり「立体感」を陰影で表したものです。絵画的な考え方で、いわゆるデッサンのような仕上がりになっています。今月は「立体感」ではなく「立体」として平面に表そうと試みています。モチーフを斜めにして陰影をつける今までの方法ではなく、正面から捉えて「立体」であるのを暗示させられないかと考えているのです。彫刻家ジャコメッテイがモデルの顔を正面から捉え、鼻から後頭部にかけての空間を表そうと平面上で格闘したことが矢内原伊作の著書にあります。それが契機になっています。自分は抽象化されたモチーフですが、レリーフにならずにどうしたら平面上に「立体」が表せるのか、今後の課題になるでしょう。

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