「異邦人たちのパリ」展

六本木に国立新美術館がオープンしたので、東京に出るついでに立ち寄ってみました。美術館前面は総ガラス張りで曲面が大変美しく、館内もわかりやすい構造になっていました。土曜日ということもあって混雑はしていましたが、広い空間がとってあるのでゆっくり観ることができました。「異邦人たちのパリ」という企画展は、パリに集った外国人芸術家の作品を集めたもので秀作が揃い、なかなか見ごたえがありました。絵画ではピカソ、ミロ、モデイリアーニをはじめ、藤田、荻須といった邦人画家もありました。彫刻ではブランクーシ、ジャコメッテイ、ザッキンなど20世紀を代表する作家が並び、当時のパリの画壇は異邦人芸術家が支えていたのではないかと思えるくらい光彩を放つ人たちがいたように感じます。これはパリを芸術の聖地として巡礼した証ですが、現在はアメリカかドイツか、あるいはアジアか、むしろ芸術の聖地と言う神話を失っているのかもしれません。

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