バイオメカノイド・アート

H.R.ギーガーという強烈な個性をもつ画家を知ったのは、「エイリアン」の映画を通してでした。彼はキャラクターを初めとする宇宙船内部全体のデザインを手がけていました。そのメカニックで生々しい表現は、性的であり暴力的であって他の追従を許さないほどの圧倒的な迫力がありました。20数年前にウィーン幻想派の洗礼を受けた自分には、E.フックスの世界に近いものを感じましたが、悪魔的で荒廃した機械文明を正面切って見せた人はギーガーをおいて他にはないと思いました。ただグロテスクなだけでなく、デザインの部分には大変美しいカタチのリズムやコントラストがあって、それが芸術性を高めているのではないかと感じています。画集の解説ではこれをバイオメカノイド・アートと称していました。リアルというより奇妙な作りモノの世界ですが、楽しめる要素がいっぱいありそうなので、一度スイスにあるギーガーの美術館に行ってみたいと思います。

関連する投稿

  • 「カンディンスキーと青騎士」展
    自分にとって注目すべき展覧会です。ブログに何回となく書いているカンディンスキーは、P・クレーやシュルレアリスムの芸術家と共に自分の中に今も生きつづけている画家なのです。年刊誌「青騎士」の翻訳が白水社から刊行されたのを契機...
  • RECORDは「縦縞」
    一日1枚ずつ葉書大の平面作品を作っているRECORD。一昨年から始めているので1000点を超える量になっています。3年目の今年は毎月パターンを決めて、その中で展開できるようにしています。8月のパターンは「縦縞」にしました...
  • P・クレーの描写について
    今朝NHK番組「日曜美術館」を見ていたら、ドイツ人画家P・クレーを取り上げていました。クレーは自分のブログにも度々登場していますが、しばらく記憶の隅にいたと思うと、また立ち現れてくる芸術家の一人です。自分が24歳の頃、初...
  • タマラ・ド・レンピッカの世界
    タマラ・ド・レンピッカの絵は、現在に至るまで評価が二転三転したそうです。絵を見るとアールデコの時代をあまりにも象徴する空気をもち、レトロな雰囲気が漂っています。ただ、とても巧みな技術をもった画家だと思います。キュビズムに...
  • クレーの絵本
    パウル.クレーという画家は私の頭の中にちょこちょこ顔を出して、造形する心をくすぐってくれたり、気持ちを軽くしてくれます。「クレーの絵本」という小さな本は私の大好きな書物のひとつです。谷川俊太郎の詩がついていて、絵のイメー...

Comments are closed.