対極 放射するカタチ

作品をイメージする時、相反する一対のカタチが脳裏を掠めます。尊敬する石彫家の中島修さんも作品は同じものを2つずつ作ると言っていたのを思い出します。2つが相対することで、2つの作品以上の空間的な効果が現れることがあります。中島さんの石の幾何形体が2つ並ぶと、まったく同じ形体とはいえ、空間が大きく広がって見えます。自分も「構築〜包囲〜」を作っていた時に、同じ構成要素をもつ作品がその対極としてイメージされました。囲むカタチの反対側に、放射するカタチがあってもいいと思ったのです。次作はそんな具合に決めました。何かを作ると、その発展として次の作品が生まれてきます。その繰り返しがあって制作が続いていきます。先日のブログに書いた通り、イメージができたら間髪を入れずに作り始めること。そんな自制心を働かせて、雛型作りに精を出しています。

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