立体作品の多面性

あと10日で、新作「構築〜包囲〜」を横浜市民ギャラリーに搬入しなければなりません。油絵の具を乾かす関係で、厚板に試みている塗装はそろそろ終わりです。やや薄赤の画面になっています。これでいいかなと思いつつ、翌日になると気に入らなくなり、一向に終わることが出来ません。搬入があるという理由で終わらせるのが例年の慣習みたいになっています。厚板の画面はテーブルの上になるのですが、下になる面も見えてしまうので、下にも簡単な塗装をすることにしました。そこが平面作品との違いで、どこから見てもいいように作るのが立体作品の醍醐味です。簡単な塗装と言えども色味を合わせて、下から覗いても作品として成り立つようにしています。いわゆる立体作品の多面性というもので、平面画面の裏側も作らねばなりません。この週末は裏側の処理に追われています。

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