レンブラントの光と闇

自分の目で確かめてこそ本当の名画鑑賞だと昨日のブログに書いて思い出したことがあります。いつぞやオランダ絵画がどこかの美術館に来ていて、たまたま観た時に、名画と言われる絵はやはり名画なんだと妙に納得してしまったことがありました。それはレンブラントの肖像画で、レンブラントの作品としてはよく図録などで見かけるものでした。その絵は他の絵画とは違っていました。何が?って何だろうと考えてみるのですが、これという決め手はありません。どの絵も色彩の落ち着き、構図、どれをとっても申し分のない絵画に囲まれて、レンブラントは何かが違っているのです。光なのか闇なのか。技巧ではありません。でも鮮明な画面。光は光らしく闇は闇らしく人物を浮き彫りにしている手ごたえのようなもの。よく説明できませんが、これが名画だと感じ入ってしまった一瞬でした。

関連する投稿

  • 再開した展覧会を巡り歩いた一日 コロナ渦の中、東京都で緊急事態宣言が出され、先月までは多くの美術館が休館をしておりました。緊急事態宣言は6月も延長されていますが、美術館が漸く再開し、見たかった展覧会をチェックすることが出来ました。 […]
  • 自画像について モデルが雇えない時代にその代替として自画像を描いている画家がいて、そんな時代の優れた自画像が数多く残されています。そうでなくても自分を見つめることは表現者にとって必要なことで、そんな理由から自画像を […]
  • 「中空の彫刻」を読み始める 「中空の彫刻」(廣田治子著 […]
  • 「美術にぶるっ!日本近代美術の100年」展 東京竹橋にある国立近代美術館全館を使って大がかりな展覧会が開催されています。「美術にぶるっ!」というキャッチコピーが目にとまったので見てきました。いわゆる所蔵作品を選抜した展示で、学芸員の企画力と頑 […]
  • 上野の「バルティス展」 先日、東京上野の都立美術館で開催されている「バルティス展」に行ってきました。テレビやポスターの宣伝効果があって、自分もあまり知るところがなかった巨匠の作品を一目見ようと出かけたのでした。露わなポーズ […]

Comments are closed.