柄澤齊展
2006年 12月 15日 金曜日
鎌倉にある県立近代美術館で「柄澤齊展」を開催しています。木口木版の緻密な表現で知られる作家ですが、初めてまとまった作品を見ることができました。あくまで木口木版が軸になって、モノタイプやコラージュに展開していく作風と理解しました。ただ、どれをとっても緻密さと深みを失うことがなく時間を忘れて見入ってしまうほどでした。木口木版は画面が小さく、ビュランで細い線を丹念に刻み込んでいくので、その小宇宙には神秘的な雰囲気が宿ります。とくに名のある人のポートレイトはその人となりを伝える表現が加わり、大変面白い世界を作っていました。挿絵も多く出品されていましたが、ひとつひとつが独立した作品と呼べる表現力があって凄みさえ感じさせる回顧展でした。
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Tags: 作品, 展覧会, 版画
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