渦巻くカタチ

先日、螺旋の造形をブログに書きましたが、螺旋を平面にしたものが渦巻きで、当然渦巻きも造形要素としては大好きです。中心に向かって巻き込まれていく、また中心からグルグルと外へ広がるカタチは、一点から展開する作品を作ろうとした時に最も効果的な要素です。ウィーンでお会いできた故フンデルトワッサーもこの渦巻きに注目してカラフルな縞が永遠に続く作品を多く残しました。きちんと円形を辿るのではなく、ところどころ戸惑いながら渦巻いていくカタチが、フンデルトワッサー同様自分も大好きで敢えて幾何的な渦巻きを壊し、渦巻きにボリュームを与えています。中心点を設けない渦巻きも視線を裏切って面白みを感じさせます。まだまだ可能性がある渦巻くカタチにしばらく酔っていたいと思います。

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