エッシャーの魔術

作業場に来ていた美大生が課題をそっちのけにして、エッシャーの画集を見入っていました。「この人が生きて傍にいたら惚れちゃう」と彼女は言っていました。それほど心を虜にする表現力を持った画家です。エッシャーは遠近法や幾何形体のトリックを巧みに取り入れて、それだけに留まらず自身のオリジナルな幻想世界を描いています。具象と抽象を併せ持つ不思議な世界です。とくに抽象として表れるのは数学的なカタチで、多面体であったりメビウスであったりします。私がエッシャーを知ったのは美大生の彼女と同い年の頃で、大学受験のためのデッサンの研究所で講師の先生から紹介されました。それから私もほぼ30年間ずっとエッシャーの魔術の虜になっています。

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