ワイル「三文オペラ」

初冬の季節になると情緒豊かなウィーンの街並みが寒々と夕暮れていく情景が目に浮かびます。オペラが上演されるのは国立歌劇場ばかりではなく、フォルクスオパーやもっと小さな劇場でも雰囲気に応じた演目がかかります。「三文オペラ」は小さな劇場がとても合っていて、その情緒のある歌や曲の数々は珠玉のものばかりです。まさに夕暮れていく街並みそのものを表現しているようです。手回しオルガンの音色が何とも素敵で、見終わった後は口ずさみながらウィーンの下宿に帰ったことが思い出されます。

関連する投稿

  • オペラ盛況の中で ウィーン国立歌劇場の立ち見席で何度もオペラを観るうち、歌唱の巧みさがわかってきました。観客は正直なもので、実力派歌手が出演するオペラは立ち見席の窓口に長い列ができました。歌劇場を一回り以上の長蛇の列 […]
  • クラシック音楽を聴く機会 20代の頃にオーストリアの首都ウィーンに住んで、リング(環状道路)沿いにある国立歌劇場に毎晩通っていました…と、書くと自分はいかにも文化意識が高く、経済的にも恵まれた、どちらかと言えば鼻持ちならない […]
  • ムソルグスキー「ボリス.ゴドノフ」 まるでロシアのリアリズム絵画を見ているような舞台。群集の合唱に圧倒され、クレムリン宮殿の豪華な広間の隅々にもリアルを追求した大道具や小道具が置かれ、まさにロシアの歴史に遭遇しているような錯覚に陥りま […]
  • オペラ初体験.Rシュトラウス ウィーンで初めて観たオペラはR.シュトラウスの「エレクトラ」でした。下調べもせず、音楽留学生から立ち見席のことを聞いて、まず飛び込んだ劇場でやっていた演目が「エレクトラ」。真っ暗な舞台。登場人物も少 […]
  • モーツアルト「魔笛」 音楽評論を読むとこの「魔笛」の筋書きには、当時モーツアルトが関わった秘密結社なる存在もあるのですが、そんなことを気にせずに観た「魔笛」は音楽や舞台装置、衣裳のデザインがとても楽しく、おそらく5年間の […]

Comments are closed.