ルーマニアの小さな村から

ブログの表題はNHKブックスから出版された紀行文です。みやこうせいさんが書き下ろしたものにイラストを依頼され、数点の見開きイラストを描いた思い出の本です。ルーマニアに出かけていた当時はチャウシェスク政権の共産主義国家で、国境で厳しい荷物検査やらビザ申請が義務付けられていました。秘密警察が我々の行程を追ってくるということもありました。それでも出かけていくのは奥深き山々に点在する村々の生活が、まるで映画の一場面のような美しさをもっていたからです。中世のヨーロッパはきっとこんな生活があったに違いないと思っていました。木の家、木の教会、木の墓地、食器に至るまで木の装飾が施されていて、アートがまさに生活の中に生きていると感じていました。まだ西側諸国の利便さが入り込まないうちに、みやさんは写真を撮り、自分はスケッチにして記憶に留めておきたいと感じていた日々でした。

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