鑿を研ぐ時,土を練る時

刃物を研ぐのは制作に入る前に行う儀式のようなものです。でも木彫には絶対必要なことです。陶彫をやる時は土練りが儀式です。これは無心な状態に自分を保ちます。日常から離脱する瞬間かもしれません。スポーツクラブで泳いでいる時もそんな瞬間があります。そうした無心な瞬間は、対人関係や日常の煩わしさを忘れるので、心を健康にするものかもしれません。座禅もそうした類のものですが、座禅と違うところは鑿を研いだり、土を練ったりするのは次のステップへの準備なので、自分に対する振り返りはなく、むしろ前向きな欲に支えられた心理状態であるのかもしれません。

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