版画に魅せられて

20数年前に版画に没頭した時期があります。版を作って刷り上げる行為が好きで、自分の思うようにならないもどかしさと偶然出来る効果が気に入っていました。今日、世田谷美術館で開催している「吹田文明展」を見てきて、版画に取り憑かれていた頃の自分を思い出しました。版画は刷り上げる際に水性絵具を使うと紙に吸い込み、油性を使うと紙上に定着するので、それらを併用することによって深みと広がりが生まれることをあらためて確認しました。刷りによる効果がとても美しく花火や星々の抽象化を際立たせていました。加えて日本美術家連盟理事長で会報に度々掲載されている方なので親近感もありました。因みに自分も彫刻の会員です。

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