記憶に残る彫刻
2006年 6月 20日 火曜日
実際の作品を見ても心が動かされることはないのですが、記憶に残って時折思い出し、その記憶によって刺激される彫刻があります。それは物質のもつ存在感であったり、周囲の空間であったりします。表現方法はまるで違う2人が私にとってそういう刺激を与え続ける作家です。一人は大学で学んでいた頃、教鞭をとっていたにもかかわらず、直接教えを受けることのなかった若林奮先生です。鉄、木、硫黄などに加工をして思弁的な作品を作っていました。見ているとわからないなりにも別にどうということもないのですが、何故か必ず展覧会に出かけ、つい作品の前で考えてしまうのです。ある意味では大変な魅力があるのかもしれません。もう一人はジャコメッテイです。作品の内面に向かって思考と試行を繰り返すところは若林先生と同じタイプでしょう。紙面がなくなったのでジャコメッテイについては別の機会に書きますが、自分の記憶の中で生き続ける彫刻です。
関連する投稿
- 再開した展覧会を巡り歩いた一日 コロナ渦の中、東京都で緊急事態宣言が出され、先月までは多くの美術館が休館をしておりました。緊急事態宣言は6月も延長されていますが、美術館が漸く再開し、見たかった展覧会をチェックすることが出来ました。 […]
- 「美術にぶるっ!日本近代美術の100年」展 東京竹橋にある国立近代美術館全館を使って大がかりな展覧会が開催されています。「美術にぶるっ!」というキャッチコピーが目にとまったので見てきました。いわゆる所蔵作品を選抜した展示で、学芸員の企画力と頑 […]
- 週末 制作と鑑賞の狭間で… 自分の制作には思索あり、他の作品の鑑賞もまた思索あり、で制作時間に追われているのは重々承知の上で、今日の午後は美術館に出かけてしまいました。午前中は午後の時間を空けるため、木彫の作業に集中力をもって […]
- シュルレアリスム時代のジャコメッテイ 国立新美術館で開催中の「シュルレアリスム展」に出品されているアルベルト・ジャコメッテイの彫刻は、ある意味で自分の眼には新鮮に映りました。ある意味で、と言うのはジャコメッテイと言えば、全てを削ぎ落とし […]
- 夏季休暇 美術館巡り 今日と明日の2日間夏季休暇を取っています。先週の2日間の夏季休暇は菩提寺の墓参りと長野県麻績にいる彫刻家池田宗弘先生宅にお邪魔して2日間を過ごしました。今回の夏季休暇の予定では、今日は都心の美術館巡 […]
Tags: 作品, 展覧会, 彫刻, 芸術家
The entry '記憶に残る彫刻' was posted
on 6月 20th, 2006
and last modified on 1月 8th, 2010 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.